友人と同じ人を好きになったらどうすれば良いか No.14

恋も友情も失わない解決策はあるのか

学生時代にありがちななのは、友人が好きな人と同じ人を好きになってしまうということです。親しい友人がAさんのことが好きだと知ってしまうと、それまではAさんに対して何も感じなかったのに、急に意識して見るようになってしまい恋に変わってしまうというパターンや、友人の恋話の相談に乗っていたつもりが、つい友人が狙っている人を好きになってしまうパターンがあります。逆に友人の恋の成就を手伝うつもりで仲介を買って出たところ、相手の異性にあなたが惚れられてしまい、あなた自身もまんざらではないというケースもあるでしょう。

いずれにしても、自分の中で過剰に意識してしまうことで、恋に落ちてしまうケースは学生時代の特徴とも言えます。本来であれば、自分が友人と同じ人を好きになってしまったことを正直に伝えられれば何の問題もないのですが、友人が怒るのではないか、自分は友人を裏切ることをしているのではないか、といった恐怖や罪悪感で悩むのが普通です。学生時代というものは、学校での人間関係がほとんどを占める世界ですので、そこでの感情面でのトラブルについては非常に慎重になるものです。

まして男女の関係が絡むと、一歩間違えば非常に深い傷を負いますし、思春期の男女間トラブルは後々の人生観や異性観にも大きな影響を及ぼします。できれば友人との友情も保ち、自分の恋も成就させたいという気持ちがあるのは若い人であれば持って当然の悩みです。またこの葛藤が精神面を鍛えますし、人間の感情を実体験するのにも良い経験になります。大人から言わせると、冷たい言い方になってしまうかもしれませんが、学生時代の恋の悩みは、『悩むための悩み』のようなものでバシッと決まる解決策というものはなく、どの道を選択しても犠牲がどこかに出るのが現実です。

学生時代の恋は執着しない方が良い

友人に黙って付き合ってしまったとしても同じ学校の人であれば、いずれはバレることでしょう。また自分の心の中で罪悪感に苛まれる部分がどうしても残って、完全に倖せな状態とは言えない交際となります。友人の前では他人のふりをしなければならず、噂になることも恐れながら交際をひた隠しにして続けていくのは、好きな異性を交際できて喜びのみが絶頂の学生にとてきついものです。

逆に、友人に正直に自分の気持ちを伝えたらどうなるかです。これは1つのかけになりますが、友人の性格がさっぱり潔いタイプであれば、もしかしたらあなたを応援してくれるかもしれません。しかし友人の好きな人への思いが強い場合は、深い恨みを買ってしまうリスクがあるのは言うまでもありません。

かと言って友人のために我慢をすることも厳しいでしょう。どの選択をしても円満というわけにはいきません。やはり選択を検討する際には天秤にかけて何を取るか、何を捨てるかを決めなければ先に進みません。この選択には、あなたの価値観が如実に出ます。

また、学生時代であればどのような決断をしても、その後に起きる結果を含めてすべて人生の貴重な経験となります。友人との三角関係の渦中にあると、頭の中がその悩みで一杯になりがちですが、この時期の恋愛は、社会に出て何年も経つとさほど大きな意味を持たないことに気づきます。人生は社会に出ると、多種多様な悩みを同時に抱えることになりますし、厳し荒波に揉まれ、様々なタイプの異性を知るので、学生時代の恋愛が実にかわいいものだと感じられるようになってきます。

三角関係の恋愛に苦しむ人の特長

では、現在の友人との恋愛三角関係に苦しむことが全く意味がないかというと、そうではありません。思春期の恋愛で深く悩む人であればあるほど、その人の愛が純粋で深いことがわかるのです。もし、友人と同じ人を好きになってしまったというシチュエーションが別の人なら、あなたほど悩まないかもしれないのです。

なぜ、あなたが友人と同じ人を好きになることで罪悪感を感じるかというと、それは友人に対する思いやりの愛と、好きな人への愛と、自分を大切にする良い意味での自己愛の3種類の愛をあなたが持ち合わせているからです。自己愛が強い人は友人のことなど気にせず、本能のままに好きな人へアタックします。友人を思って、もしくは友人に嫌われまいとして自分がすんなり身を引くような人は自己犠牲が強く、悪くいえば自己を粗末にしているとも言えるのです。

また好きな人があなたのことを好きであった場合は、身を引くことがその好きな人を裏切ることにも繋がりかねません。この問題に悩むこと自体が、あなたが繊細な愛情を持ち合わせている証拠であり、バランス感覚も備わっている証明になります。

友人にも嫌われず、でも好きな人とも結ばれたいと思うことで、自分は都合の良い欲張りな人間と思ってしまうかもしれませんが、見方を変えれば、多方面に他人の気遣いができるということです。

正直に生きることのメリット

三角関係の恋愛は、必ずどこかに犠牲が伴いますが、最終的には自分の正直な心に従って生きるしかありません。学生時代の友情や恋愛は今後の人生を生きていく上で複雑な困難を乗り切るための、貴重な経験となります。三者が無傷で円満解決は基本的にはないので、どの道が一番ベストかを考えるよりは、どの道が一番被害が少ないかという視点で考えた方が良いでしょう。

『人として』という観点で考えた場合、やはり友人に嘘をつく、騙す、裏切る、といった行為をする方が、同じ人を好きになることよりもお互い心の傷を深くします。その意味から考えると、やはり自分の正直な気持ちを友人に打ち明けることは大事です。三角関係の恋愛を1つの競争だとすると、友人の気持ちを片方が知りつつ黙って恋愛が成就してしまった場合、やはり恨みを買うリスクは非常に高く、卑怯なやり方と思われても仕方ありません。

確かに、好きな人を射止めるためには、恋のライバルの手の内を知っていれば、ライバルよりも好印象を持たれる作戦を立てられますから有利です。ライバルより先に告白をして射止める、ライバルをダシにして自分を良く魅せる、などできますし、汚いやり方を使えばライバルを貶めることだってコントロールすることができるからです。しかし、そうして成就させた恋愛は恨みを買ったり、後々あなたの評判を落として結局うまくいかくなります。因果応報の法則が働くので、勝てば良い的な刹那的な行動は、結果が出せたとしても倖せは長く続かないものです。簡単に言えば、誰かが不幸になる犠牲の下に手に入れた倖せはどこかで必ず破綻するという事です。

一方、正々堂々フェアな条件で競った場合であれば、仮にあなたがライバルに負けて恋に敗れたとしても、もっと良い相手に巡り逢う可能性が高くなります。若い頃の恋愛は「自分にはこの人しかいない」と勝手に相手を理想化して、限定してしまいがちですが、正々堂々と正直な良い生き方をしていると、不思議とそうした生き方に見合う良い相手が出てくるものなのです。学生時代はどうしても人生観の視野が狭いため、個人に執着してしまい、恋愛に命がけでハマってしまうものですが、けして個人に執着すべきではなく、良心に恥じない真っ当な生き方をすることでもっと良い良縁を引き寄せます。

三角関係時のハイレベルな行動基準

最後に、あなたが自我の欲ではなく、正しい判断をしたい場合の判断として参考にしてほしいことがあります。それは、判断基準として善意ある第三者の立場として客観的に見た時に、あなたの友人がAさんと付き合った場合と、あなたとAさんが付き合った場合のどちらがお互いの人格向上につながる交際になるかということを考えてみて下さい。これは恋愛に陥いると冷静に見ることは非常に難しいことですが、あなたが、より高いレベルの善意ある生き方をしたい場合は、できる限り頭に入れておいてほしい考え方です。

たとえば友人がヒステリックだったり、わがままなど性格上問題があってAさんには不釣合いと感じ、自分の方があきらかにAさんと釣り合うと感じられたら、自分がAさんにアプローチする。逆に友人の性格が非常にレベルが高く、育った環境や価値観など考えると、自分とAさんよりもあきらかに友人と付き合った方がうまくいく感じがするならば潔く身を引くというのも1つです。これはよほど精神性ができている人でなければ、なかなかできない判断ではありますが、自分の欲よりも善を選択する人生を生きたいと思うのであれば、参考にしてみて下さい。

まとめ 素直に生きる

以上、友人と同じ人を好きになってしまった場合にまつわる話を述べてきましたが、まとめると以下の通りです。

・三角関係は必ず犠牲が伴うもの

・学生時代の1つ1つの恋愛には執着しない

・三角関係に深く悩むのは多方面に気を遣えてる証拠

・迷った時は自分の正直な気持ちに忠実に生きる

・恨みを買わないためにも自分の気持ちを友人に伝えておく(同じ恨みでも、後々に裏切られたと思われる恨みの方が大きい)

・正々堂々とフェアに生きることで仮に現在の恋愛がうまくいかなくなっても、後々良縁に恵まれる

・友人と自分を比べてどちらがAさんとお互いを高め合えるか客観的に検証してみる

最後に私見を述べます。若い頃の恋愛というものは、『愛とはなんぞや』を身をもって知るための貴重な体験です。本記事では、一般論から高尚な考え方まで述べましたが、基本的に若い時は自分の気持ちに素直に従って行動することが一番身になる経験となります。恨みを買ったり、人間関係で揉めたりすることも人生の一コマで、その苦しみや悩みから人の気持ちや心を知っていくのです。

逆に言えば、そうした経験がないまま大人になっても人間の深味というものがありません。人生とは、どれだけ他人の気持ちを自分のことのように理解できるかを学ぶ場所でもあります。ですから、今の自分の感覚や、気持ちの動きを味わうように、感じたままに行動してみてください。必ず今後の人生の糧となるでしょう。

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