浪費癖のある夫に対して離婚を考えた場合 No.13

夫の浪費癖の原因

旦那さんの浪費癖に困っている奥さんは多いでしょう。しかもたいがいの旦那さんのお金の使い方は、本人が楽しむための物、事のはずです。趣味にお金をかけるならまだしも、パチンコ、競馬などのギャンブル系に大金をつぎ込むことも珍しい例でありません。

原因は、結論から言うと普通の男性の生きるエネルギーでもある本能的な物欲、娯楽欲です。また一時的な浪費についてはストレス発散の為の、新しい物、新しい行動による欲求不満の解消の為という場合もありますが、本来的に男性は、自己満足も含めてお金を使いたがる生き物だと言えます。

しかし、そのあまりの浪費癖のために奥さんであるあなたが生活費の帳尻を合わせるために犠牲となり、好きな事が何もできないばかりか、家系のやりくりに毎日頭を悩ませたあげく、元凶である夫から何かと文句を言われたり、ひどい場合は暴力を振るわれるなんてこともあるかもしれません。

旦那さんがいくら働いて出世して、昇給したとしても、偉くなったら偉くなった分、さらにお金を使うようになり、家庭やあなたは一向に楽にならない状況。家計が苦しいといくら訴えても、旦那さんの親から注意してもらったとしても、基本的にはおそらく変わらないでしょう。

女性からすると、なぜそこまでお金を娯楽などに浪費するのか理解に苦しむかと思います。

これは男性の特徴でもありますが、元来男性は女性よりも物欲や娯楽欲などが強いのです。幼い時なども、おもちゃ屋の前で「買って〜!買って〜!」と泣きじゃくるのはたいがい男の子ですよね。物欲に執着するのは男の子の特徴です。また物欲、名誉欲、快楽に執着するのも男性の特徴なので浪費はある意味本能のままで普通の男性と言えます。むしろお金をあまり使いたがらなかったり、貯金ができる男性の方がかなり非凡です。

ですから、よく男性の浪費癖の原因を、甘やかされて育った為、我慢ができないからだと考える人もいますが、原因は必ずしもそれだけではありません。子供の頃、家庭が貧乏で我慢することが多かったからこそ、大人になって金遣いが荒くなるというケースの方も多いです。たとえば、子供の頃買えなかったプラモデルを、今になって大人買いする男性もおりますが、これなどは女性には浪費、無駄遣いとしか感じられないでしょう。

根本的な話をすれば、人間の役割的に男性は、車で言えばアクセルで、女性はブレーキの面があります。だからこそ奥さんが家計のやりくりを担当する夫婦が多いのです。

夫の浪費癖のストレスで離婚を考える前に

しかし、いかなる原因、理由があるにせよ、日常的に旦那さんがお金を浪費していては家計をやりくりする奥さんの精神的ストレスは大きくなります。女性脳は平面思考にむいている為、仕事、家事、子育て、旦那さんの世話など、同時に複数の仕事をこなしますが、家庭での奥さんの大変さを旦那さんから理解されることは少ないです。

たいがいの男性は、集中思考なので自分は仕事して稼いで、家族を養っていれば良い、自分はそれで責任を果たしていると考えています。ですから仕事で頭脳や神経を集中して使っている分、いったん家庭に帰ると、奥さんの苦労や気持ちまで心がいたらないことがほとんどです。そのため、奥さんも負担を感じている割には理解されず心身共に孤独になりがちで、ストレスは男性が思っている以上に感じています。その上、旦那さんから文句を言われたり、怒られるばかりだと当然離婚を考えてしまうでしょう。仮に親に相談したとしても、旦那さんの浪費癖は基本的には治らないはずです。もう成人ですから今更親の言うことなんか聞きません。浪費癖の旦那さんを見越して、自分なりに貯金をしていても、なんだかんだで旦那さんの浪費のしわ寄せで使わざるを得ない状況になるはずです。つまり自分の為に自分が貯めたお金すら使うことができない状態で、「どうすれば良いのか、このままでは家計が破綻してしまう」というストレスにさらされ続けるわけですから、離婚を考えるのも当然です。旦那さんに「家計が苦しいから、浪費をやめてほしい」と言っても、機嫌が悪くなるか、良くてもその場だけ「わかった」と言いつつ、一向に改善されないことがほとんどです。

しかし、それで離婚を考えたとしても、離婚をしたらしたで、仮に子供がいて親権を獲得してのシングルマザー生活は甘くはありません。旦那の浪費癖によるストレスからは解放されたとしても、シングルマザーや女性が1人で生きることは、経済的に苦しいことに変わりはないのです。離婚の慰謝料で生活すればと考えるかと思いますが、その話をつけることだけでも難儀ですし、仮に話がまとまっても、実際離婚後の保障はありません。旦那さんもその浪費癖が祟って、無い袖はふれないという事であれば慰謝料や養育費が払えなくなることだってあります。そうなっては根本的な解決にはなりません。下手をすれば共倒れで、子供までも犠牲になります。離婚の原因が浪費癖の他に、浮気をされたとか、家庭内暴力やハラスメントなど、旦那さんの人格面に著しく問題がある場合であれば仕方ありませんが、あくまで浪費癖がメインの理由であるなら、離婚する前にこっそり副業をするなり、パートやアルバイトなどで経済的に自立しておく必要はあります。経済的な問題で離婚したのに、もっと経済的に苦しむ人生になってしまってはまったく意味がないからです。

必ず自分だけでやっていける状態にしておくことは必須で、旦那さんからの慰謝料頼り、養育費頼りの生活プランはまったくあてにならないと考えておかないといけません。もらえたらラッキーくらいに考えておくことです。

浪費癖の夫への対処法

さて、浪費癖のある夫に対してどう対処すれば良いのかです。前述した通り、基本的に浪費癖は他人から叱られても、怒られても、注意されても変わるものではありませんが、1つだけ変化を促す方法があります。

それは家計の管理を旦那さんに完全に任せてしまうことです。男性は、いくら奥さんから「家計が苦しい」「出費を控えて欲しい」「今月は厳しい」と言われてもピンとこないのです。抽象的な訴えにはまったく響きません。「わかった、わかった」と、その場をしのぐ意識しかないので、具体的な自分の出費と直結しないのです。数字、金額をしっかり出して、このままだとこれだけの金額が赤字になるので、どうすれば良いですか?と解決策を乞うわけです。男性は、悩み事を聴くと男性脳の本能が発動して、解決策を考え始めます。

よく、奥さんが話を聴いてもらいたいだけで何気なくボヤき話をすると、「そんなものはこうすれば良いじゃないか」と理論的な解決策を一言言って終わりにしてしまうことがあります。この習性を逆利用するわけです。

また、夕食や普段の食事をあからさまに少なくしたり、納豆と卵だけにしたり、梅干しと味噌汁だけにするなど安い食材にすることも効果はあります。毎日食べるものが目に見えて貧しくなることでも家計の苦しさを実感できるからです。おそらく「なんでこんなもんしか出さないんだ!」と怒るでしょうが、そこであなたのせいだ、と責めず、先程述べたように数字と理屈で冷静にこうするしかないと訴えるわけです。

ただ、今月の家計が苦しいという悩みを、いくら数字を出して論理的に説明をして理解してもらったとしても、男性はその場が過ぎればまた忘れて、元に戻ってしまいます。ですから、家計のやりくりそのものを旦那さんに丸投げしてしまうのです。結局、女性は家庭を守る意識が高いので、苦しいと言いつつもなんだかんだやりくりしてしまうのです。

しかし、その習性に旦那さんが甘えてしまうのです。旦那さんが家計を預かるようにしたら急に締まり屋になって逆に無駄遣いをやたらチェックするようになったという例はよくあります。危機感があると男性の解決脳が発動して、ガラッと意識が変わります。浪費家の旦那さんにそんな事ができるのか?と心配になるでしょうが、すべてのお金のやりくりを任せて把握させることができれば変わります。仕事ができなくて、まともに就業ができないくらいいいかげんな人だと任せられませんが、仕事がちゃんとできる人であれば大丈夫です。

結局、自分は外で仕事をして稼いでくれば良く、家計は妻がやりくりするもの、という意識が浪費を気にしないライフスタイルになっているわけです。家のお金の流れのすべてを知って、その管理が自分にかかっているとなれば、たいがいの男性は変わります。奥さんが旦那さんを信じられないので、結局自分でなんとかしてしまうことが、悪い意味で旦那さんが安心してしまう連鎖になってしまうのです。

絶対にバレない副業でリスク回避と貯蓄を

そうは言っても、どうしても浪費家の旦那に任せられないというのであれば、奥さんが旦那さんに内緒で副業をしても良いでしょう。但し、絶対にバレないようにすることが必須条件です。奥さんが副業や、バイトをしていると知ると、またそこで旦那さんの危機感が薄まるからです。

家計を旦那さんにお願いしても、たいがいは「それはおまえの役目だろう!」と言われて断られるかもしれませんが、ここは頑張って交渉して下さい。「これ以上のやりくりは私にはもう無理!!」とかなり大袈裟に演技をしてでも、「3ヶ月だけで良いからやってみて!」とハードルを低くしても構いません。とにかく家庭の経済状況を把握させなければ、話になりません。その時にできれば、奥さんの銀行口座の貯金などは秘密にしておいた方が良いです。いくら子供の入学費用とか、学費だと言っても、そこに貯蓄があることを知るととりあえずお金が尽きるとそこから金が出せるという意識になるからです。

どんなに酷い夫でもやってはいけない事

お子さんがいる家庭で、旦那さんの浪費癖のために家族が非常に苦しい生活を強いられていくと、子供に対しても旦那さんの愚痴がつい出てしまいがちです。「お父さんの浪費が激しいから、、、」「あなたはお父さんのようになっちゃダメよ」

などと言いたくもなります。しかし、それだけは絶対にやめて下さい。どんなに酷い父親でも、子供にとって自分の親は自分のルーツであり、精神的にも肉体的にも根本なのです。子供からいくら「お父さんみたいにはなりたくない」「お父さんのこういうところがダメなんだ」と批判してきたとしても、それに乗ってはいけません。教育上、片親の悪口、批判をすると子供は自分の根っこを否定されたような意識が無意識に植え付けられてしまい、自信が持てなくなります。また親の短所を意識してしまうことで、返って親の悪い部分を受け継いでしまうのです。

ですから、どんなに浪費癖の旦那さんのせいで、借金地獄に陥ったとしても、子供を絡ませて旦那さんに対する愚痴、不平不満、悪口はけして言わないことです。それをやると家計が苦しいどころではなく、本当に家族の心がバラバラになってしまいます。

また、当然旦那さん本人に対して人格を傷つける文句は言ってはいけません。改善してほしいのは、浪費そのものです。確かに、旦那さんの浪費によってあなたは苦しめられているかもしれませんが、旦那さんが外でお金を使うこと自体は、直接あなたや、家族を苦しめるためのものではないのです。旦那さんの出費は収入以上で奥さんからは理解できないことも多いですが、旦那さんは旦那さんなりの考えもあるでしょうから、そこを突っ込むと余計なマイナス感情を生んでしまいます。

あなたも、自分が価値を置いているものにお金使ったことを、旦那さんから「そんなくだらないものな金使いやがって!」と言われたら、気分を害するはずです。要は、浪費を感情的に責めることを目的にするのではなく、家計のやりくりを旦那さんにも考えてもらうことなのです。

まとめ

以上、浪費癖が酷い夫への対処法を述べてきましたが、まとめると以下のようになります。

・浪費癖は男性の本能なので注意して治るものではない

・離婚を考えるなら離婚後の自立した経済策をしっかり立ててから

・どんなに浪費癖が激しくても女性1人で身を立てるのはもっと厳しい場合がほとんど。

・夫に交渉して家計をすべてやりくりしてもらう

(家庭の経済状況を具体的に数字で把握させる)

・夫には絶対にバレないよう貯蓄をしておく(副業、バイトを秘密でする)

・夫の悪口は子供に言わない、聞かせない

・夫がお金を使う対象について悪口を言わない

最後に、私個人の体験も綴っておきます。私はけして浪費家ではありませんが、収入よりも支出が多くなる傾向がありました。また転職も多く、会社を辞める時には家庭の経済状況を考えたことがなかったのです。「辞めたら辞めたで、なんとかなるし、なんとかする」と、感覚で判断することが多く、その都度、その計画性のなさにストレスを蓄積した妻と喧嘩になり、最終的には離婚問題にも進展したのです。別居までしたことがあります。

しかし、別居した後に、子供がやたらと病気になり、様子を聴いたらお金がないからという理由で本当に食事の量、食材の種類が限られたもので半ば栄養失調に近い状態だったのです。さらに長男の学費も払えなくなりつつあることを知り、このままでは長男が学校を辞めなければいけない状況が把握できました。

そこまで知ってようやく私も、事の深刻さを知りました。私は、妻もパートの仕事をしていたので、感覚的になんとかするだろうと思いこんでいたのです。妻は倹約家でしたが、その時は倹約ではなく本当に家族を養う金が不足していることを実感しました。

そこまできて、初めて経済面では子供のためにお互い協力しないといけないことを悟ったと同時に、お金の出入りをすべて計算して具体的な数字を把握しました。結果、お金のやりくりを理由に別居によるダブル生活費を回避するために、また家族で暮らすようになりました。私は元来、数字に弱くお金の管理もどんぶり勘定で、基本的今も変わっていませんが、戻って後はすべてお金の管理を私がするようになったので、少なくとも家計に関する意識は変わりましたし、単なる浪費は明らかに減りました。

この経験から、私は男性も家計のやりくりに参加すべきだと考えに至っています。夫婦での役割分担はすべきですが、浪費癖のある人ほど、一番身近な家計をやりくりすることで経済意識をしっかり持つようになってほしいです。

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