No.49 病創心理説とは

『病創心理説』とは私が考えた造語で、読んで字のごとく病気を創る心理についての説です。

現在、予防医学では食事とストレスが病気の主な原因と考えられています。ではそのストレスとは何でしょうか?どんなストレスがどのような病気を創るのでしょうか?

病創心理説はこのストレスの内容にフォーカスし、心と身体の関係をより具体的に解明するものです。

病気の原因は深層心理

病気の原因は食生活、生活習慣とストレスだといわれていますが、脂っこいものを日頃から食べていたり、塩分の濃い食事をとっている人でも病気知らずで元気な人がいます。

一方、神経質なくらい食事や生活習慣を気をつけている人でも病気がちだったり大病にかかる人がいるのも現実です。また高齢でヘビースモーカーの人でも元気な人はいます。

科学的にみれば確かに身体に悪い食べ物はあるでしょう。タバコなどは有害化学物質が数千種類入っており百害あって一利なしともいわれるほどです。

しかしそうした物を日頃から摂取しているからといっても10人中10人が病気になるとは限らないのが人体の不思議なところで、これは日頃その人がどのような心理で暮らしているか、ということが大きく関係してきます。

病気は偏食や睡眠不足だけではならない

たとえば、都会のサラリーマンには40代、50代でも病気で亡くなる方やリタイアする人がいる一方、田舎暮らしの高齢者には毎日昼にカップラーメンを食べているような人でも畑仕事を現役でバリバリ働いている人もいるわけです。

これは複合的な条件によって個人差はあるものの、食事と運動と睡眠だけが病気予防ではないといえる根拠の1つでしょう。そして食事の偏り、運動不足、睡眠不足や睡眠障害の原因を突き詰めていくと最終的にはそうした身体に悪い生活をしてしまう心理状態に行き着きます。

病気の原因は1つではない

人は、お釈迦様がその昔に説いたように『中道』からはずれるとおかしな状態になります。

食事の偏りは思考の偏りが表れているといえますし、運動不足も怠惰な心の表れです。

暴飲暴食や間食のダラダラ食いは日々精神面で満たされない心理が関係しています。

睡眠不足も休息をおろそかにしている=忙しくしていないと気が済まないという焦りや承認欲求の心理がそうした状況をつくっているといえるでしょう。

睡眠障害はストレスをうまく吐き出せていないからリラックスできず眠りが浅くなるのです。

このようにそもそも生活が乱れるのは、考え方や感じ方など深層心理の乱れが先にあります。

しかし、その心理的な原因も1つで成り立つわけではありません。皆さんのストレスも1つだけでということはないはずです。子育てに悩みつつも仕事でのプレッシャーがあったり、親の介護の問題が重なる、といったことはよくある話でしょう。

ストレスが原因でうつ病になったり、高血圧になったり、癌になったとしても子育てのストレスなのか、会社の人間関係なのか、家庭問題なのかその中のどれか1つが原因だということは絶対にあり得ません。またそれら複数のストレスによってどの病状が発症するかも人それぞれです。

病創心理学ではなく病創心理説である理由

以上、述べてきたように病気の原因を突き詰めると深層心理の傾向性に行き着きます。しかし具体的にどの種類のストレスがどのような病気を創り出すのかまでは、仮説を立てることはできでも断定はできません。

人間の身体はそこまで単純ではないからです。

職場でいじめられたストレスのある人がうつ病になっても、別の人では帯状疱疹となって表れたりする場合もある為、この考え方を学問にすることはできません。

それでも、病気になるにはなんらかの心理状態が根本原因と考えるのであれば、病気の改善や予防の為に精神状態を健全に心がけることは大切といえます。

たとえば過度に緊張したり気を遣い過ぎると、頭痛に表れるタイプと胃痛に表れるタイプに分かれます。医学的には頭痛の原因は血管の収縮や神経の炎症とされます。ですが、病創心理 の面から考えると「大事な取引先の接待を任され、気遣いや頭を使うストレスを過度に感じたからではないか?」いう推測ができます。

これがいわゆる頭痛に関する『病創心理説』にあたります。

Aさんが前述したような原因を推測したとして、Bさんは「いや、接待そのものではなく接待後の上司からの説教が直接的なストレスだった違いない」という考えがあった場合、病創心理のBさん説という感じになります。

このように病気の原因はケースバイケースなので『説』としていた方が様々な説を出せます。様々な視点や角度から考えていった方が原因の解明精度が高まるのです。

逆に『学』にすると、正解不正解にはっきり分かれてしまい様々な論争を生むことになるでしょう。

また学問にできるほど病創心理は明確なものではありません。慢性的な思いが病気をつくることもあれば短期間でも強烈なストレスがかかれば一瞬でショック死するほど人間の心理は身体に強く影響を及ぼします。

それを一律の原因にするには無理があるのです。

病気で深層心理を知ることもできる

病気の原因を100%解明できないとしても、病創心理説を立ててストレスを予防することは大事です。 

逆に病創心理説は、今自分に発症している病気から自分の本心や本当の性格を探ることも可能になります。病気は自分自身からのメッセージであり何か不都合や不具合があるからこそ病気という形で異変を教えてくれるのです。

たとえば、高血圧症になる人には気が短くカーッとなりやすい人が多く、意外な部分としては心配症であったり神経質な面があります。神経質で気が立ちやすい気質が血流の圧力を強くさせてしまうわけです。

他には遺伝とは別に、後天的に糖尿病になる人には極端な性格の人が多いです。具体的には自分の欲求を満足するまで節度なく求めてしまいがちな性格です。一言でいうと我慢ができないタイプです。

それも苦痛に対して我慢ができないのではなく、自分の欲求に対して抑えが効かないという意味での我慢ができません。特に食べることを抑えられない、飲むのを我慢できない、など飲食に関する節制や逆に運動をしない、動こうとしないなどの怠慢な心理とも関係しています。

病創心理説を参考にすることで人生を好転させることができる

人の根本的な性格は変えられませんが、生き方を変えることはできます。

病創心理説がわかると高血圧の人はおおらかに常にリラックスを心がけたり、怒りや心配などしなくて良い環境を極力選んでいくことで血圧も変化していきます。

糖尿病の予防や改善の為の節制にも病創心理説を知っていれば心理面から改善が可能です。心や感情面での理解がないままそのような治療を形だけ行うことは非常に苦痛を感じることでしょう。

また、病気が発症したことで現在のライフスタイルのままではいけないということにも気付けます。生きていれば一定のストレスは多かれ少なかれあるものですが、病気をつくりだしてしまうほどのストレス生活を送っていては身を滅ぼします。

このサイトでも病創心理説をご紹介していますので、具体的な病気や症状については各記事を読んで参考にしていただきたいと思います。

病創心理説は自身のストレス解明にも役に立ちますし、病気の予防、改善のヒントになるのでぜひお読み下さい。

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