アトピーやアレルギーが現代病と呼ばれる理由 No.33

アトピーや花粉症などのアレルギー症状は現代病と呼ばれています。原因不明で生まれつきそうした体質であったり、ある日突然アレルギー症状が出てしまい、その後の人生に常につきまとうように不快で辛い病状です。ここではそうした症状の肉体的な原因についてお伝えします。

なぜアトピーや花粉症などのアレルギーは現代なのか

アトピーや花粉症というものは、ほんの30年くらい前は患者数もごくわずかでした。まさに現代病と呼ばれるに相応しいここ数十年のうちに急増した病気です。明治時代や江戸時代以前の時代にはアトピーや花粉症などのアレルギー症状はほとんどいなかったと思われます。

もちろん、当時にはそのような名前も病気の種類もなかったので、皮膚がかゆくて荒れたり、鼻炎といった症状が出ている人はごくわずかにいたのかもしれませんがメジャーな病気ではなかったことは間違いないでしょう。もし一定数以上の患者が常時いるような状態であれば俗称であってもなにかしら『アトピー』『アレルギー』に変わる名前の病気が存在しているはずですから。

実際、筆者は1974年生まれで軽度のアトピーですが幼少時の頃、私の他にアトピーで悩んでいる人はほとんどいませんでした。小学校では私以上のアトピーの人はいませんでしたし、中学に入って生徒数が多くなったところで私より重度のアトピー患者は私の知る限り1人くらいだったのです。そもそも「アトピーって何?」というのが同級生たちの認識でした。

それが1980年代の話で、今2018年の段階でアトピーといって「アトピーって聞いたことない」ということはないでしょう。2014年の時点でアトピー患者数は厚生労働省の調べで45.6万人とされ30年前と比べて2倍に増えているとの発表があります。また最近では病気を扱ったテレビ番組などで特集を組まれることが多いほどメジャーな病気といえます。

花粉症については1970年代から急増したとあり、都内では有病率が48%を超える区もあるようです。学校や職場などの組織で約半分の人が花粉症であるということは異常とも思える現象ですし、当然このような状態が1970年以前からあったとは思えません。

有害化学物質を摂取しすぎている現代人

1970年代というのは日本において化学汚染による水質汚濁や、公害病が一番盛んであった時代です。アトピーや花粉症に限らず、現代病の多くはこの1970年代以後に急増した病気をさすことが多いでしょう。これは偶然ではなく、実際に石油化学が発展した1970年代から日本人は化学物質をあらゆるところから体内に取り入れるようなライフスタイルになっているのです。

まず空気が汚染されて気道や皮膚から摂取してしまいますが、特に著しいのは食品です。戦後日本は化学の発達により食料を化学物質で加工して作ることができるようになりました。いわゆる加工食品です。その恩恵により、不作の年などに食糧難になってしまうという事態を回避できるようになりました。しかし本来人間(動物)はすべて生き物の命を食べて生存できるように創られているため、人工的に作った生命が宿らない加工物は人間のエネルギーにはなりません。それどころか本来食べるべき食料ではないものを食することによってアレルギー反応が起きてしまいます。

中でも一番顕著なのがコンビニで売られている食べ物です。添加物には食べても大丈夫なものとそうでないものがありますが、コンビニで売られているもののほとんどは安全性が不安視される添加物がたくさん入っています。さらに無添加と記載されていても、原材料が海外で加工済みのものについては、法律で記載しなくても良いことになっていますし、もっといえば添加物と定義されている種類がヨーロッパでは2000種類もあるのに、日本では100数種類しかないのです。

これは、日本では無添加として販売されているのにヨーロッパでは添加物を含む商品とされるものがあるということです。またトランス脂肪酸のように海外では使用禁止されているものでも日本では普通に使用している商品があり、天然由来と表示しているものであっても抽出する培養液には石油由来のものを使っていることが多々あります。こうなってくると何も信じられなくなりますし、どんなに食品の原材料を気にしている人であってもそうした裏側の事情や専門知識を知らない限り、化学物質入りの食事をとることになるでしょう。

皮膚から入る化学物質に無頓着な現代人

それでも口から入る毒物は、その約9割を排泄によって排出することができます。それでも残りの10%は体内に蓄積されるので問題はありますが…。一番怖いのは皮膚から入る『経皮毒』というものです。

これは、たとえばシャンプーや石鹸、日焼けオイルや制汗剤、消臭スプレーなどによる害です。この経皮曝露といわれる皮膚から有害化学物質の侵入は厄介で、10日かかっても排出されるのは10%に満たないといいます。つまり蓄積率が非常に高く完全に排出されるまでに何年もかかるわけです。さらに、口から入れた化学物質であれば肝臓という解毒器官を通ってから血液として成分が体内にまわっていきますが、経皮吸収の場合は肝臓を通らず直接血管にまで吸収されるので直接より早く人体に影響を及ぼします。

にも関わらず人は毎日有害な添加物がたくさん入ったシャンプーや石鹸、スプレーやオイルなどを使います。有名な話ですが、妊婦の羊水がシャンプーの匂いがしたというくらい体内に蓄積されていくわけです。多くの婦人病の原因もこのような経皮毒と呼ばれる化学物質による汚染と考えられています。現にシャンプーを完全天然のものにしたら生理痛がなくなったという話もよく聴く話です。皮膚から入る化学物質はシャンプーや石鹸の他にも室内のあらゆるところで触れる可能性があります。抗菌剤や消臭剤、防カビ剤などが塗られているソファーやシーツに加え女性であればやはり化粧品や染毛剤などはほぼマストで使用するのではないでしょうか。食品添加物についてはようやく最近気に掛ける人が出てきた感じもしますが、皮膚から入る添加物についてはまだまだ無頓着ですし無知の状態といえます。

そしてなにより経皮毒で一番怖いのが染色体異常を引き起こすことです。現代の0歳児死亡原因のトップが奇形によるものだといいます。この奇形はなぜ起こるのかというとまさに有害化学物質の汚染です。人によって蓄積度合いは違いますが、子供、孫の世代に進むに従って化学汚染はより濃くなっていきます。特に妊娠時に親が有害化学物質を大量に取り込んでしまうと非常にリスクが高くなります。化学汚染が非常に濃い形で遺伝して生まれてきた子供は奇形やアレルギー体質になりやすいのです。

ストレスが多い現代人

今述べてきた化学汚染に加えて、現代では人が密集して活動しているため人間関係のストレスの悩みも増えてきました。年間で3万人以上の人が自殺で亡くなっているというのは、交通事故で亡くなる人の数字よりも多いのです。この数字からもいかに現代人の心が病んでいるかがわかります。

心が病むと病気になります。『病気』という字は気持ちが病むと書くくらいですし、昔から『病は気から』という言葉があるわけです。職場の上司との関係や、部下を持って働く人のプレッシャー、人件費削減で一人当たりの負担が大きい仕事量だったり、サービス残業を禁止されている割に仕事量が増えるという矛盾に悩むこともあるでしょう。主婦であっても近所付き合いのストレスがあったり、今は核家族化で子育てをお母さん一人で行う場合が多いため育児ノイローゼになることもあります。

現代では1970年代以前の戦後と呼ばれる時代からすれば、飛躍的に生活水準が上がっています。それに加えて少子化時代やゆとり教育の影響で大事に育てられた世代からすると社会が非常に厳しいものと感じて順応ができないことが多いようです。まして若い世代は便利なコンビニを利用することが多く、経皮毒となる制汗剤や消臭剤も多く使用する傾向がありますので、ストレスの耐性のなさと合わさって現代病になりやすいといえます。

先に述べた化学物質による汚染で神経などが侵されていると、ストレスに対する耐性も低下してうつ病やパニック障害などの発作を起こしやすいとも言われています。現代の日本人は元々生活水準が高い中に生まれ育っているため、お金や物質、生活のためにガムシャラに働くという価値観を持っていない人が多いです。そのためハングリー精神が欠如していると昭和世代からは批判されてしまいがちですが、病気というものは実際深層心理が作り出している面もあるので精神面のケアも行わなければ現代病の予防は解決しないでしょう。

さらに最近ではSNSが非常に大きな影響力を持っており、情報化社会で知りたい情報がすぐに入手できる便利な反面、学生などの間ではLINEなどを使った新しいいじめの形ができつつあります。また炎上商法のような不必要で人の心を大きく乱すような情報もすぐに世間に広まってしまうため、情報の中でいかにストレスをコントロールをするスキルを身に付けるかも大事でしょう。

まとめ

現代病と呼ばれる病気は、石油化学の発展と化学物質が世に出回ってから発生したものがほとんどです。この因果関係については注意深く見ていく必要があると思います。

化学物質の汚染によって空気や海が汚れることで雨水も汚れ、土にも化学汚染が浸透していきます。こうなると自然食品ですら従来の栄養分がないものが育ちます。私は安易な自然保護主義者ではありませんが、物事の因果関係の法則から言っても現代は人工物のためにかなり自然の生態系などが破壊されているため、その反作用で人間が病気になるという因果になっているのです。

人間の健康は心と体のケアという両輪で成り立つようにできています。ですから、心の健全、幸福感を大事にしつつも、物質ではる肉体の方も本来の生き方をしていないと必ず不具合が起きてくるようになっているのです。食事は人工的に加工された添加物はなるべく入れず、安全な食材を食することと肉体のケアを怠らないことが大事です。

人間(生き物の)の生命は、他の生命の犠牲の上で成り立っているもので、これは自分が生きる上で責任を負うという意味でもあります。そのために他の生命を食らって生きるというシステムになっているですが、それを生命が宿っていない加工物ばかりをエネルギーにしていては当然元気がなくなり不健康になってしまいます。薬などを飲み続けるのも有害化学物質の蓄積を増やすことになりますので、できるならば飲まないことにこしたことはありません。

先天性のアトピーがすっかり治ったという事例は実は意外とあります。その理由のほとんどが有害化学物質が添加された食品をとらずに自然食に切り替えた、化学物質を流してミネラルなどの栄養をしっかりとれる本物のサプリを飲むようになった、シャンプーや石鹸を天然由来のものにした、といったことです。

本記事が人間本来の生き方というものをもう一度見つめなおすきっかけとなる記事になれば幸いです。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。