現代人に非常に多い高血圧症。原因は塩分の取り過ぎや、過労、睡眠不足といわれていますが、それらの原因の大本は心の持ち方であったり、性格だったりします。低血圧の体質だったのが、高血圧体質に、後天的に変化することがありますが、それらのほとんどは精神的なストレスが原因となっています。
ここでは、そのストレスが具体的にどういったものなのかを、お伝えいたしす。
目次
高血圧症になる理由は性格が大きく関係している
まず、生まれつき高血圧になりやすい体質の人がいます。これは遺伝といわれますが、そもそも、親子や兄弟などの親族は性格も非常に似ている為、同じ病気になりやすいのです。元々生まれ持った性格が、特定の病気を発症しやすい体質をつくるのはごく自然な現象といえます。では高血圧になりやすい性格とは、具体的にはどのような性格なのかをまとめてみます。
気が短い人
まず高血圧の人のイメージを思い浮かべてみてください。最初に気が短い、怒りっぽい、せっかちなどのイメージがあるのではないでしょうか。気が短い人というのは、呼吸も早いことが多く、腹式呼吸ではなく胸式呼吸になりやすい傾向があります。
血圧は常に変動するものですが、ちょっと運動をして息切れしているような状態で計ると、当然、血圧は高くなります。逆に、深呼吸をして呼吸を落ち着かせて平静な状態で計ると、血圧は低くなります。これほど物理的な行為であっても、あきらかな血圧の変化があるわけですから、いかに血圧が呼吸と連動しているかがわかります。
気が短い人は、呼吸も常に早い状態であることが多い為、基本の血圧が高くなってしまうというのは理解できるでしょう。さらに気が短い人のほとんどは怒りっぽい気質を持ち合わせていることも多いです。『怒る』という行為は、全身に力が入るので当然血圧が高くなります。
またせっかちで早く結果を出したかったり、早く行動したいのに、それが思うようにはかどらない時などは、気が短い人にとってはストレスとなります。怒りが増しているのに、発散できないという状態が長くても、やはり血圧は高くなるので要注意です。
心配性の人
気が短くないし、温厚なのに血圧が高い人がいます。そういう人は、心配性であることが多いです。心に不安を感じていても血圧が高くなります。心配をするというのも、1つのストレスであるため、全身に無意識に力が入り、固くなります。
子供のことを心配する、仕事でミスをしないか心配する、親に怒られないか、上司に怒られないか心配する、など心配性の人は絶えずストレスを溜めやすくなっている為、血圧が高くなる傾向があります。
緊張しやすい人
心配性の人と近いのが、緊張しやすい人です。緊張しやすいということは、「失敗したらいけない!」と思っている為、血管も収縮して血圧も高くなります。プレッシャーの強い仕事をしている人なども、高血圧になりやすといえるでしょう。
病院で血圧を計ると高めに測定され、家で計ると低めに測定されるといわれるのは、この『緊張』が原因です。病院で計ると、人は自然に身構えて緊張するため血圧が高くなるのです。緊張しやすい人は、対人関係においても常に緊張していたり、気を張っていたりするので高血圧になる可能性があります。
しかし、『この緊張しやすい性格』というのは、無意識レベルでの緊張であることが多く、本人が自覚していないことがほとんどです。なぜなら、日常生活自体は他の人と変わらないからです。仕事をするにも、他人とコミュニケーションをとるにも、生まれながらに、人よりも緊張していて、なおかつ心の中の問題なので目に見えません。る
ですから、他の人と比べて自分は緊張しやすい性格だと気づきにくいので、これも注意が必要です。温厚でソフトな印象の人であっても、内面は非常に緊張していることもあるのです。
血圧は心が反映されやすい
高血圧の人の長所
高血圧を放置していると、動脈硬化から様々な病気を併発します。高血圧自体はなんら利点はありませんが、高血圧になりやすい性格の人の長所は、瞬発力や馬力が効くというところがあります。
気が短い、怒りっぽい、心配性、緊張しやすい、といった性質を仕事に向けた場合、非常に効果を生むこともあります。短気な人ほど仕事が早く、効率の良い仕事の仕方をすることが多いです。心配性な人は危機管理や責任を果たす時に間違いのない仕事という面でプラスに出ます。緊張しやすいという面も、常に気を張って仕事に望んでいるということなので、本人は疲れるかもしれませんが、ケアレスミスやイージーミスなどの類のミスは少ないはずです。
また火事場のバカ力というような、何か緊急事態が起きた時に、瞬発力を発揮します。瞬間的に爆発力のある行動をとることができます。また踏ん張りも効くので、いざという時にいつも以上の力を発揮しやすいともいえるでしょう。
寝起きも比較的良い人が多いようです。ただし、高血圧を放置した状態での寝起きは、頭痛に苛まれることになるので、寝起きの度に頭痛や頭が重いと感じるようであれば、早めに医師に相談し、薬を飲むようにした方が良いでしょう。
高血圧の人の短所
短所と長所は表裏一体なので、あえて書く必要もありませんが、前述したような長所をすべて裏返すと、気が短くて怒りっぽいという性質は、おそらく周囲の空気を急かしたり、焦らせている可能性があります。短気な人、怒りっぽい人がいると周囲が非常に気をつかうわけです。周囲にストレスを与えている場合、そのうち人間関係が悪化してくるので要注意です。
人間関係の悪化は、自身もストレスを受けることになるので、やはり気をつけて意識した方が良いでしょう。また『怒り』は自分自身の体内にも毒素を分泌しているようなものなので、そのこと自体が別の病気を創り出すことになってしまいます。
心配性や、緊張しやすい面も、行き過ぎた場合、これまた周囲にも自分にもマイナスに働きます。取り越し苦労や持ち越し苦労は、何もプラスを生み出しませんし、緊張しすぎると自分自身が疲弊して燃え尽き症候群になってします。高血圧の人は、極端な行動をしがちなので、その反動の現象を注意した方が良いでしょう。
低血圧の人の特徴
逆に低血圧の人は、高血圧の人と比べると、比較的マイペースな性格といえるでしょう。状況に合わせて瞬発力を発揮するというよりは、常に同じ歩幅で、同じスピードで長く活動するのに向いています。
高血圧の人が短距離ランナーだとしたら、低血圧の人は長距離ランナーに近いかもしれません。
低血圧の人が辛いのは、やはり寝起きでしょう。血の圧力というものは、やはりバイタリティというか、その人のエネルギーやパワーを表している面もあり、低血圧の人は長く同じペースで活動できる半面、瞬間的に爆発力を効かせるような行動がとれません。
高血圧を精神面から改善する
高血圧を放置していると、不整脈、心不全、狭心症、心筋梗塞、腎不全、脳血管障害、脳卒中など非常に恐い病気になる可能性が高まります。ですから、早めに病院で診てもらい、薬を飲むことで、それらの病気になることを回避した方が良いでしょう。
ただ、できることなら、薬に頼らない方が良いに越したことはないので、精神面を改善することで多少なりとも自然治癒に近い形で、血圧を下げられるようにしましょう。
ゆっくり行動する
高血圧の人は、できるなら常時深呼吸をして活動するくらいの気持ちを持った方が良いかもしれません。血圧と呼吸は非常に連動していることが多いので、常に腹式呼吸でゆっくり呼吸をして行動していると、自然に動きもゆったりしてきます。
単に、ゆっくり動くとか、急がないように、という抽象的な心がけだとつい忘れてしまうものです。息を吸うのに3秒、吐くのに3秒、くらいをイメージして癖にしてしまうと良いかもしれません。
また心理面で心がけることは、下記の通りです。
・せっかちにならないこと
・不必要な心配事を取り除いて安心した心で過ごすこと
・頑張りすぎずリラックスを心がけること
まとめ
・気が短い人は高血圧になりやすい
・心配性の人は高血圧になりやすい
・緊張しやすい人は高血圧になりやすい
・血圧と心理状態は直接的に関係してくる
・高血圧の人は、瞬発力が強く無理が効く
・低血圧の人は、コツコツ長く活動するのに向いてる
・高血圧改善には、常時ゆっくり呼吸をする癖をつける
・せっかちにならず心理面でゆとりをもつ
・不安を排除し、常に安心した心理状態にしておく(取り越し苦労、持ち越し苦労をしない)
・常時、リラックスを心がける