腰椎椎間板ヘルニアになった経緯 【ヘルニア体験記2話】No.37

腰椎椎間板ヘルニアの手術を2回経験した筆者が語るヘルニア体験談シリーズ第2話目です。今回はちゃんとした検査病院でのMRI撮影によって最初の誤診の理由と酷い痛みの原因がわかり、入院から手術をするまでの実体験をお話します。*参考 前回【ヘルニア体験記第1話】

簡易式のMRIではわからない本当のヘルニア状態

相模原のブロック注射の名医から、再度MRIを撮ってきて下さいと言われ紹介されたのは検査を専門に行っている病院でした。そのため約1年前に地元の町病院内の簡易式MRIの撮影した輪切りの写真2~3枚というレベルとはまったく別物で、何ミリ単位のスクロールで背骨ならびに椎間板の輪切りの状態が細かくわかるというものでした。それは静止画と動画の違いといっても過言ではないくらいの差です。

先生がその最新かつ細かいデータのMRIを見てわかったこと。それは飛び出た椎間板が下に垂れ落ちてその部分が神経に大きく当たっているというものでした。「だから痛みが酷くしつこいのか!」と先生もつぶやいて納得されていました。

と同時に、私は最初の簡易式MRIでの診断とはなんていいかげんなんだろうと憤慨しました。私のケースのように下に垂れ下がったヘルニアを発見できないほどの簡易な撮影で誤診をされてはたまりません。またその誤診の先生は、患者である私が痛みの酷さをいくら訴えても「そういうもの」という思い込みを更新しようとせず、「気長に治すしかない」の一点張りでした。せめてそれほど痛いのであれば今回の先生のように「一度大きな病院で精密検査しておきますか?」くらいの話はあって良いのでないかと思いました。

その後、私は現在まで様々な医者を体験していますが、やはり名医だったり評判の良い先生というのは様々な可能性を想定していろんな引き出しから提案、相談をするという共通傾向がありました。おそらく最初の誤診の先生は思考停止状態で私のヘルニアが、よくある普通のヘルニア患者と同様のもので、単に私が痛みに敏感でおおげさに言っているとしか思わなかったのでしょうね。

でも実際は、こうして精密検査をすればすべての病状がはっきり認識できるので診断も治療法も大きく変わってくるわけです。そう考えるとやはり西洋医学であれば精密検査を一通りやることがマストではないかと私は思っています。

手術のために大病院を紹介してもらうも手術をやりたがらない先生

そうしてようやく私の病状の深刻さが先生にも伝わり、手術を希望しますということで市内の大きな病院を紹介してもらうことになりました。そこにはブロック注射の名医の先生の後輩で非常に優秀で腰の手術に定評がある先生がいたからです。私は約1年間徒労とも思える数々の治療遍歴を経て、ようやく確実にこの坐骨神経痛からおさらばできると期待に胸を膨らませてその大病院に行きいました。

しかし、その紹介していただいた先生にすべての経緯を説明して手術をしたいとあらためて申し出たところ、なんとその先生いわく「この状態で手術でメスを入れるのはもったいない。もう1年ブロック注射で様子を見る価値はある。できればメスを入れない方が良いので・・・。」とまさかの違う治療法の提案をされたのでした。

私も確かに初めての腰の手術だったので怖さはありましたが、すでに1年間様々な治療方法を試してかなりお金も使い果たしていたのと、さらにこれから1年この痛みと付き合っていかなければならないと思うと気が遠くなる思いでした。それに自分の身体なので自分でわかるという感じで手術以外の方法で痛みがなくなるイメージがどうしても湧かなかったのです。物理的に神経に当たっているヘルニア部分を切除してもらう他治ることがないという直感がありましたので、あえてお願いして手術してください!と頼みました。

結局、医者としても手術というのはどんなに手術が上手な先生であっても感染症のリスクがあるため「やらないにこしたことはない」というのが共通認識のようでした。しかしリスクを考えれば私も怖かったのですが、なにせこの坐骨神経痛の痛みは耐えがたく、仕事は事務職、営業職に異動させられたとはいえ痛みで腰が曲がり、びっこをひいたり杖をついたりする生活でしたので仕事も集中できませんでした。こんな状態で生きるくらいなら、思い切って手術に賭けたいと思ったのです。

病院内の人間関係を垣間見る

手術をするという前提で入院し、それまでのデータも病院に提出しているものの、病院単位での検査というものは必須らしく、またMRIやレントゲン、心拍数など一通り検査をすることになりました。その中で面白かったのは、整形外科の女医さんから腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の診察を受けていろいろ説明をしてもらったのですが、その後執刀の助手のような先生が私の手術の担当となり、その男性医師が「診察の〇〇先生(女医)の説明だと何言ってるかわからなかったですよね。私からちゃんと説明しますね。」と言ってきました。

その口調からして、どうもその女医の先生と、執刀助手の男性医師は仲が悪いみたいだなというのはなんとなくわかりました。事実、男性医師の説明は医師の手帳?のようなもので坐骨神経痛の神経のイラストなどを見せてくれながら解説してくれたのでわかりやすかったのです。

女医の先生はどちらかというと一方的で、詳しい説明という感じではなかったので、確かに個性の違いや着眼点、患者の立場などどこまで考えるか、などまるでスタンスが違っていて考え方が違うのは明らかでした。これは余談ですが、同じ会社内でもライバルのようにお互い仕事に仕方に不満がある仲というのがあるように、病院内でもそういうのあるんだなと人間模様を観れて漫画家の私としては面白かったです。

誤字脱字が多い病院の書類

しかも、その病院の書類は誤字脱字が多く、大病院の割に「だ、大丈夫なんだろうか」と思うほどアバウトな感じでした。特に手術をするとなると同意書などの類の書類は多いのですが、仲でも「家族、兄弟、姉妹の同意」という箇所の「姉妹」が「柿妹」となっており、どう変換ミスして姉妹が柿妹になるだ??と大笑いしてしまいました。

おそらく元のアナログ原稿をPDF化するようなソフトを使用してデータ化したのでしょう。その際に姉という字の認識が柿になっていたことに管理者が気づかずそれを公式の文章にしてしまっていたわけです。前述の担当医師にもその事を指摘したら「あ、ほんとだ!」と苦笑いしていました。その他にもリハビリの書類など通常漢字表記する文字をひらがなのままになっていて違和感覚えたり、「~しました。」が「~しましたた。」となるような誤字が多く、大病院の割に事務や書類作成が苦手なのかなとギャップに笑えてしまいました。

手術の麻酔について

1つ引っかかったのは、手術前の前日に血圧を測る際に私は高血圧でこのままだと手術ができないという値でした。深呼吸をして何度かリラックスしてから測り、ようやくOKがでたのです。その後私は高血圧の薬を飲むようになるのですが、この時退院したらかかりつけの病院で血圧の相談をしてくださいね、と言われました。血圧が高いという自覚はなかったのですが、今考えたら血圧による頭痛が酷かったのでこの時に気づけてラッキーでした。

そしてもう1つ心配だったのが、全身麻酔というものは本当にちゃんと自分に効くのだろうかというものでした。元来頭痛持ちで頭痛薬、鎮痛剤の類はよく飲んでいたので薬に慣れ過ぎている私にちゃんと効くのかが心配だったのです。

しかし実際は、麻酔のマスクを装着して「息を吸って吐いて下さい。」と言われて2~3回深呼吸したと思った次の瞬間手術が終わっていた・・・という感じでした。とにかく、とかく手術は怖いと思っていた割に実際にはほんの瞬きをしたくらいの短さで終了。実際は1時間ほどかかったようですが、本人としてはその瞬きをしたとか、ちょっと居眠りで寝落ちをしたくらいの時間で終わっているというのが実際の感覚でした。

私が手術で怖れていたことの1つに、尿道に管を入れる作業がありました。当時、いろいろ事前に調べていると「尿道に管を入れる時が痛くて死ぬかと思った」という体験記が多かったので、それは嫌だなという不安が常に頭のどこかにありましたが実際は全身麻酔をした後に管を入れたため、入れる時の痛みはまったく気にする必要はありませんでした。ただし、外す時は意識がある状態で抜き取るためその時はとんでもない痛みがありましたが・・・。

*次回第3話では手術後の回復についてお話する予定です。

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